mineoのSoftbank回線取り扱い開始を受けて、2018年は3大キャリアのMVNOがかなり充実した年になったと言えます。
そこでやはり注目されるのが「iPhoneを安く使いたい!」というニーズです。
日本国内におけるiPhoneのシェアは2017年の段階で7割弱を占めています。
数あるスマホの中の一つに過ぎないのに1つのブランドが70%のシェアを持っているのはものすごいことですね。
なぜ日本だけこんなにiPhoneのシェアが高いのかはいろいろと理由が推測されています。
日本人の気質が影響しているから、日本人はブランド志向が強いから、などと言われていますが、私はそれ以外の原因もあるのではないかと考えています。
iPhoneの品質やデザインが優れているのはもちろんわかるのですが、どちらかというと対抗馬となるはずのAndroidスマホがイマイチであるというマイナス要素が作用しているのではないかと思うのです。
え?それってAndroidがふがいないっていうこと?
まぁそれもあるけど、iPhoneが持つ「強み」が日本人に合ってるっていう感じかな?
iPhoneが選ばれている理由
1.Androidは「当たりハズレがある」
マイナス要素とは一体どういうことか?
私がSoftbankでiPhone6(2014年9月発売)を契約していた当時、同時にMVNOを使ってdocomoのSH-06E(2013年5月発売)というSHARP製のスマホを併用していました。
理由はiOSとAndroidでそれぞれ利用したいアプリが違っていたからと、おサイフケータイを利用するためでした。
iPhoneに関しては文句のつけようがない出来栄えで、アプリもかなり俊敏に動きますし、カメラもデジカメ以上にキレイで感動を覚えました。やりたいことが素早くなんでもできちゃうという感じです。
一方のSH-06EもワンセグやNFC、miracastなどiPhoneにはない独自の機能が多数実装されていてかなり多機能だったのですが、いかんせん一つ一つの動作がノロいというかカクツクというか、全体的にモッサリなのです。そして少し使うだけでものすごい発熱が……。
キャリアスマホ特有の「おせっかい初期設定アプリ」と国内メーカー特有の「おせっかい常駐アプリ」が盛りだくさんで、それだけでスマホのRAMもROMも結構食ってしまっているんですよね。それなりにスペックが高くても無駄なアプリだらけで足を引っ張っている始末。
すぐにそれらが必要か不必要か判断して削除できる方やタスクキラーアプリを設定できる方は良いですけど、世の中そうじゃない人のほうが多いわけです。
すると「なんだか重たくて使い心地が悪いなぁ」とか「ショップでiPhoneを触ってみたら凄く操作しやすかった!」という感想を持っても不思議ではありません。そうなればiPhoneにユーザーが流れていくのも時間の問題です。
もちろん、Androidの機種すべてを否定するつもりなど毛頭ありません。現に筆者もASUSのZenFone3とiPhoneSEを使っていますが、ZenFone3のレスポンスや操作性はとても高いレベルだと思いますし、友人の所有しているXperiaXZ1を見せてもらった時はカメラ性能の高さに驚いた経験があります。
Androidスマホの進化は確実にiPhoneの脅威となっていますが、やはりメーカーや機種の多さがユーザーにとって「どのスマホが当たりなのか?」という決して解決することのない疑問も同時に生み出し続けていることも確かです。
そんな中でもiPhoneはユーザーの多さと処理能力レベルの高さから「少なくともハズレではない」という安心感を与えることに成功しています。
確かにiPhoneを使っている人の中で、あからさまに機能に不満を持っている人ってあまりみかけないよね。
2.スマホに求めているのは通話よりも「通信性能」
今度時間があれば電車内を見回してみてください。かなり多くの方がスマホを操作していると思います。
ゲームをしたり動画を見たりSNSをやっていたり、用途は様々ですがみんな「スマホをやってる」ことに変わりありません。
この光景は日本独特のものです。海外でもスマホを操作している人はいますが、日本ほど多くはありません。
これには日本独自の「電車内では通話禁止」というローカルルールが強く影響しているものと思われます。
海外では当たり前のように電車内で通話可能です。したがって「スマホ=主に通話に使うもの」という認識が強いです。
一方の日本国内では電車内で通話すること「マナー違反」とされています。したがって「スマホ=車内での暇つぶしツール」と化している面があります。その結果、電車内でスマホ画面とにらめっこしている人が多いのです。
つまり日本では暇つぶしにゲームをしたり、動画を見たり、SNSを楽しむ人がとても多いので「通話メイン」というよりも「アプリ処理能力・通信性能メイン」という視点で端末を選ぶ傾向が強いのです。
通話に使うだけなら必ずしもiPhoneのようなハイスペックなスマホを使う必要はありません。日本のように美麗なグラフィックやキビキビとした動作が求められるようなスマホゲームも海外にはあまりありませんからね。
前の項目でも指摘した通りAndroidよりもiPhoneのほうがシステムまわりの完成度や安定性が高く、ゲームやアプリの処理もそつなくこなすことができるので、日本国内でiPhoneが支持されるのもごく自然な流れと言えます。
iPhoneなら性能的に間違いないという揺るぎない信頼がそれを可能にしているのです。
Android機種だとプリインストールのアプリやUIまわりのシステムファイルと相性が悪くて、後からダウンロードしたアプリが落ちたり起動しなかったりすることがあるんだよね。
そういうのをうまく解決できる人はいいけど、世の中そういう人ばっかりじゃないからなぁ……。
3.アクセサリーや周辺機器が豊富だから
これは「ユーザーが増えた結果そうなった」と言える部分もありますが、iPhoneはケースやケーブル、周辺機器の数がAndroidと比べて非常に多いです。
電気屋でスマホの取り扱いをしているフロアを見れば一目瞭然ですが、iPhoneグッズのコーナーとその他のスマホのグッズコーナーの売り場面積にはハッキリと差があります。入手性を考えるとiPhoneの圧勝なのは言うまでもありません。
今でこそ中華系のSIMフリーが数多くリリースされて支持を集めつつありますが、ケースやフィルムといった関連グッズの入手性はすこぶる悪いです。
iPhoneはそのグッズの多さゆえに「自分だけのiPhone」を作ることがカンタンにできます。
特長的なケースやフレームを選ぶことで他人との差を図ることができるのです。
なので「まわりと同じものを好む日本人だからこそiPhoneが選ばれる」という指摘は半分当たっていて半分間違っています。
日本人がiPhoneを選ぶのは性能の高さ、使いやすさ、ハズレがない安心感が理由なので、そういった意味ではまわりと同じものを求める傾向があると思いますが、決してデザインまで同じだからというわけではないでしょう。
むしろグッズを使って自分でカスタマイズしやすいからこそiPhoneを選択する人もたくさんいます。
「iPhone=単一民族で集団帰属意識が強くてブランド品に弱い日本人にウケている」という見方はちょっと単純すぎるのかなと思います。
4.対応できるバンドが多い
携帯電話の通信には電波が使われますが、実は電波には様々な種類の周波数が使われていて、それらを「バンド」と呼んで区別しています。
今では基本的にどのスマホにどのSIMを入れてもなんとか通信できちゃったりしますが、本来は「スマホが対応できるバンド」と「そのSIMカードが使う回線で受信できるバンド」が一致していることが望ましいのです。
そんな細かいところまでいちいち見てらんないよ!という人もiPhoneなら安心。
なぜならiPhoneは非常に多くのバンドに対応できるように製造されています。
ですので、現状日本で使われているdocomo系、au系、Softbank系のどの通信網でも最適に通信することが可能です。
わざわざバンドについて調べながらスマホを選んでいる人は家電製品やスマホに詳しい方くらいで、ほとんどの一般人はそんなこと気にせずにiPhoneを選んでいるとは思いますが・・・。
とにかくiPhoneなら通信バンドについてあれこれ悩むことなくMVNOが使えるということは覚えておきましょう。
周辺機器とかアクセサリーが手に入りやすいと、いざという時でもコンビニやケータイショップでトラブルを解決できるかもしれないから安心よね。
MVNOの選びやすさもiPhoneのメリット
iPhoneが選ばれている理由は、なにも性能やデザインがいいからというだけではありません。
今年に入って特に感じられるようになったのは「MVNOへの対応力」です。
iPhoneのMVNO化の話題でも触れているように、iPhoneはどのキャリアのものであってもSIMロックの状態を気にすることなくMVNOで使えるようになっています。(実用的にはiPhone6以降の機種に限りますが)
さらにSIMロックの状態を気にすることなくMVNOで使えるようになったおかげで、中古のiPhoneも最大限に活用したスマホ選びができるようになりました。この恩恵はとても大きいです。
なぜならiPhoneはAndroidスマホと比較して本体価格が高額であり、「キャリアで契約をし、毎月の利用料金と一緒に本体代金を分割払いしていく」というのがスタンダードな購入手段だったからです。
この方法であれば毎月一定額を支払い続けることでiPhoneを使うことが可能になりますが、キャリアの割高なプランを契約することが求められるうえに、いわゆる【4年縛り】の場合は2年ごとにiPhoneをキャリアに返却しなければならないため、iPhoneを自分の資産とすることができないというデメリットがあります。
一方で中古iPhone+MVNOという組み合わせであれば、そもそものiPhone本体価格が安く抑えられるうえに購入した瞬間から自分の資産となります。
MVNOなら毎月の料金プランも明快でわかりやすく、複雑な契約事項や「●●割」のようなごまかしの割引システムもありませんので安心です。
中古市場だと3万円~5万円くらいでそこそこ状態のいい中古iPhoneが買えちゃう時代になってるんだね~。
3万円くらいなら一括で支払える人も多いだろうし、お子さんに初めてスマホを持たせたい場合や、通話の利用頻度が低いユーザーさんならMVNOで十分使っていけるからね。
これからの節約時代にピッタリの選択肢だと思うよ。
これからiPhoneユーザーはますます増える?
アップル公式でのiPhoneSEの販売が終了したことでちょっとした中古の買い占め騒動が起こるなど、まだまだiPhoneの人気は衰えるところを知りません。
一方で2018年9月に登場した最新のiPhoneは売れ行きが芳しくないという記事を見かけますが、それはiPhone7、iPhone8、iPhoneXの完成度が高く買い替え需要があまり起きていないからです。
このことから導かれる結論は「まだiPhone7やiPhone8で十分戦える!」ということです。
新型のiPhoneが登場したことで、過去のiPhoneの中古価格は少しずつ下がり始めています。
個人的には2015~2016年ごろのAndroidを使っているユーザーさんで、今の機種の機能になんらかの不満を持っている方はぜひ一度iPhoneを検討してみるといいかなと思います。
特にiPhone7以降は防水・防塵機能もあるので、これまでAndroidだけのメリットであった耐水性・耐塵性もしっかりカバーできています。販売されているアクセサリー類も豊富なので自分にあった装備にカスタマイズすれば使いやすさも十分感じられるかと思います。
iPhoneユーザーが今後増えるかどうかはもう少し様子を見ないと何とも言えませんが、MVNOとの相性が改善された2018年9月以降は、今以上にiPhoneユーザーが増えていっても不思議ではないと私は考えています。
まとめ
記事タイトルの「どうしてiPhoneが選ばれるのか」という問いかけに対する回答を以下のようにまとめたいと思います。
1.使用しているユーザーが多く、アプリの動作も安定しているのでスマートフォンの機種として完成されており安心感がある。
2.アクセサリー類が豊富に販売されており入手性も高いのでカスタマイズや緊急事態においての対応もとりやすい。
3.MVNOとの親和性が高く、SIMロックされているiPhoneでも格安で運用できる。
nosekae.comとしては特に3の理由に注目していただきたいです。
それは性能が高いこと、使いやすいこともさることながら、SIMロック関係なくMVNOのSIMが使えるということが安くスマホを使う上で最も重要だからです。
MVNOを使うシーンとしては、今使っているスマホからの乗り換え以外に「新品もしくは中古のスマホと組み合わせて使う」という選択肢もあります。
中古スマホショップやネット上でたくさん取り扱われている中古スマホの中で、iPhoneほど取り扱いやすいスマホは他にありません。
AndroidスマホであればSIMフリーを選ぶかSIMロック解除済みの機種を選択すればOKですが、それが自分の望む機能を搭載しているか、デザインや性能に満足できるかどうかを検討していくとなかなか絞り込むことができないケースも多いです。
せっかく状態のいい中古をみつけてもSIMロック解除の問題ですぐにMVNO化できない……なんてこともよくあります。海外ならAndroidスマホも含めてSIMフリーが当たり前ですから、こうした問題で悩むことはないのでしょうけど・・・。
こうしてみるとiPhoneは入手の面でも操作の面でもハードルが低く、しかも機種そのものが高性能でハズレがないというメリットを持っています。SIMロックうんぬんの事情もからむ日本ではますますAndroidの中古は上級者向けになってしまっており、iPhoneの人気に拍車をかける事態となっています。
スマホ初心者でも手を出しやすく、慣れている人でも性能や完成度の点で人気の高いiPhone。
幅広く支持されているのも納得です。