公正取引委員会はこのほどSoftbankの実施する「半額サポート for iPhone」とauの実施する「アップグレードプログラムEX」に対して調査を開始するそうです。
公正取引委員会は13日、スマートフォンの販売実態について調査するための有識者検討会の初会合を開いた。携帯大手による「4年縛り」と呼ばれる手法が不当に競争を阻害している可能性があるとして、有識者などから意見を聴取する。今後、報告書として取りまとめる。
4年縛りはスマホ端末をいったん4年間の分割払い契約で販売し、2年後に機種変更して同じプランを組み直せば端末代金の残額が無料になる仕組み。途中で解約しにくく、不当な囲い込みにつながるとの指摘がある。(共同)
普通に考えて4年間の縛りを設けて、しかも機種代金が実質半額で済むなんてやり方をされたら、ユーザーはMVNOなどの別会社のプランに変更しづらいですし、顧客の囲い込み手法としてはなかなかあくどいやり方ではないかと思いますね。
途中で解約したら当然違約金も取られますし機種代金の残りも負担しなければなりませんから素直に使い続ける人がほとんどだと思います。
おそらく一般の方は「最新のiPhoneが安く使えるからそのままでいいか」くらいの感覚でキャリアを使い続けているんだろうね。
「安く使えるならなんだっていいよー」っていうノリだよね。
詳しくプランの内容を精査したり、支払い総額をきちんと考えている人って、ひょっとしてかなり少ないんじゃないかな?
「4年縛り」は本当にお得なのか?
ここで気になるのが、この4年縛りの手法は本当にユーザーがお得なのか?というところです。
「オトクだからやってんだろ!」って言う方もいますけど、本当にそうなのか確かめてみたくなりませんか?
というわけで「半額サポート for iPhone」を実施しているSoftbankの公式ページから料金の仕組みを表す図をもってきました。
iPhone8を機種変更で購入した場合
この図によると、iPhone8の64GBなら機種変更時で毎月560円の負担で使うことができるようです。
iPhone8の64GBはアップルの公式通販で購入すると、78,800円(税抜)です。(2018/04/18現在)
それが縛りありとはいえ13,440円で使えるんですから、安いですねぇ。
んん??
「半額サポート for iPhone」適用っていうのは今のお話だからわかるんだけど、その上の「月月割」適用ってなあに?
この月月割こそキャリアのプランの生命線であり、最重要割引システムと言って過言はないだろう。
どういうこと?
この月月割っていうのはわかりやすく言うと「24回払いの分割で払ってくれよ~。そしたら端末代金から割引するからさぁ~。」っていう意味なんだよ。
いやらしいことに割引額はキッチリ24回にわけて引かれるから、月月割の恩恵を最大限受けるには2年間契約することが自然と求められるというわけだ。
へぇ~。
でも2年間使えばいいだけなんだから、それだけで端末料金を割引してくれるなんてうれしいよね?
まぁ表面上はな。
というのもさっきの表にあった機種代金の実質負担額に加えて
・通話プラン(1,700円 or 2,700円)
・ウェブ使用料(300円)
・データ通信プラン(2,900円~7,000円)
がかかることを忘れちゃいけない。
そっか~、キャリアのプランって結構高いのを忘れてた~!
さて、それじゃ本題。
「半額サポート for iPhone」を使って4年間使い続ける前提で、
通話プラン1,700円(5分間カケホーダイ)
ウェブ使用料300円
データ通信プラン5,000円(5GBプラン)
という内容で契約したとしよう。
ふむふむ。
つまり機種代金を除いた単純な通信費としての金額は(1,700+300+5,000で)7,000円/月になる。
これを48か月払い続けると・・・
7,000×48=336,000円
(加えてここに端末負担額の560円/月が加算されます)
つまり毎月5GBの高速通信ができる最新のiPhoneを4年間使える権利は、約34万円の通信費が支えているといえるんじゃないかな。
年間で9万円弱って感じかな?
俺はこの金額、普通に高いと思うんだけど。
なるほど・・・?
そしてこれをMVNO基準で考えてみよう。
例えば近い条件であるIIJmioの「ライトスタートプラン(6GB)」を参考にしてみよう。
音声通話付きSIMで2,220円/月だから、これを4年間使うと
2,220×48=106,560円
という通信費となる。
キャリアとMVNOだと通信速度も違ってくるし、あくまで単純計算っていう前提になるけど・・・。
それでもキャリアとMVNOの通信価格差は約23万円もあったんだね・・・(>_<)
常に最新のiPhoneを月額数百円の負担で使い続けられるのは確かに魅力的だと感じるかもしれない。
でもそれはあくまで機種代金のお話であって、スマホ代金全体のお話ではないのですよ。
キャリアの場合2年間で13,000円の負担でiPhone8(64GB)が使えるけど、新しい機種に変更するときに前の機種は回収されちゃうのでユーザーの手元には残らない。
一方のMVNOは、通信費で比較すると4年間でキャリアより23万円も安い。
そしてSIMフリーのiPhone8はアップル公式ストアで新品で購入しても78,800円。
さらに自分で買うから不要になっても手元にちゃんと残る。
これって普通に考えて機種が手元に残って(しかもSIMフリー!)、実際に4年間で負担する金額も超単純計算すると
新しいiPhone代(約10万円とする)を2台分=約20万円
通信費4年間=約10万円
あれ・・・?キャリアって通信費だけで約34万円かかってましたよね?
こんなの小学生でもわかるよな。
MVNOのほうが払う金額が安いのに、端末もしっかり手元に残せるってことなんだよ!!
【結論】4年縛りは端末代金の負担額を強調してるだけ
んぐぐ・・・!
総額で考える視点を持つとMVNOの圧勝っていう事実はちゃんと見えてくるんだね・・・。
思考停止している人たちからすると気付くことはできないだろうね。
少なくとも最低限のスマホ知識があって、SIMカードの設定さえ自分でできる人なら圧倒的にMVNOがオススメということは言っておきます。
ここまで説明しても自分で出来ない人とか、やる気ない人はもうキャリアで搾取されつづけてください。
申し訳ないけど俺にはキャリアを使っている人たちのことを「月に数回牛丼もらったりアイスもらったりして飼育されている家畜」としか見えなくなっております。
賢明な判断をするのはあなた次第だ。
ということで「4年間の総額で考える」という視点を持つと、キャリアの施策はお得どころかムダに通信費を払い続けてしまうおそれさえあることがご理解いただけたかと思います。
結論:4年縛りはカモユーザーを搾取するシステムであり、断じてお得じゃない