SIMロック解除によって【格安SIMへ変更して毎月の支払を節約!】という選択肢が一気に広がったスマホの世界。
でもちょっと待って!
あなたのスマホ、もしかしてSoftbankのAndroid機種じゃないですか?
実は格安SIMには、きちんと使える機種と使えない機種があります!つまり……
「なんでもかんでもSIMロック解除して格安SIMに差し替えれば使えるというわけではない」
ということです。
格安SIMには既にご存知の通り
- docomoの通信網を利用したもの
- auの通信網を利用したもの
の2種類が存在します。
(正確に言えばSoftbankの通信網を利用した格安SIMも存在しますが、料金面・サービス面で選ぶ理由がないのが現実です。詳しくは後述します。)
そしてdocomoの端末ならdocomo回線を利用している多くの格安SIMがそのまま使えますし、auの端末でもmineoやUQ mobileなどau回線を利用している格安SIMで問題なく運用できます。ここまでは当たり前ですよね。
そこで問題となるのがsoftbankの機種。
SIMロック解除して格安SIM運用をしても、iPhone以外の機種はうまく電波をつかんでくれないこと多いのです。
すでにいろいろなMVNO系のサイトで解説されていますが、専門的な内容のところが多くて理解しにくいのが本当のところです。
なので、なるべくわかりやすくカンタンに短く解説してみたいと思います。
softbankの機種とdocomo系MVNOの対応バンドがずれているのが原因
結論はタイトルのとおりですが、このままだとまだよくわかりませんね。
この話を理解するにはスマホの電波に種類があることを知らなければなりません。
ちょっと前までよくソフトバンクのCMで「プラチナバンド!プラチナバンド!」ってやってましたよね?
そのバンドというものが電波の種類というわけです。
まずdocomoのバンド(電波帯)は3つだけ知っていればいいです。
- バンド1(2.1GHz)→日本中で広く使われてるヤツ。速度は普通
- バンド3(1.8GHz)→大都市圏中心に使えるヤツ。速度は速い
- バンド19(800MHz)→山とか田舎もカバーしてるヤツ。速度は普通
他にもいろいろありますが、docomoはこれだけ知ってればOK。
で、softbankのスマホが対応してるバンドはどれ?という問題ですが・・・
- バンド1(2.0GHz)
- バンド3(1.7GHz)
- バンド8(1.5GHz)
- バンド11(900MHz)←プラチナバンド
バンド1と3しかねーじゃん!!
という話です。
基本的にバンドは数字が大きくなればなるほど山奥や建物内の通信に強い性質があります。
したがってバカ正直にsoftbankのAndroid機種にdocomo系格安SIMを乗せて使うと、バンドの問題で通信が難しくなるエリアが出てきてしまうということです。(田舎とか山奥だと電波が切れるおそれがある)
またdocomoのバンド1は利用者が多いので速度的にもバンド1に頼るのは心もとないです。
さらに、今は複数のバンドを束ねて通信速度を上げる「キャリアアグリゲーション」という技術により快適な通信ができるスマホが主流になっていますが、そもそも利用できるバンド帯が少ないとこのメリットも生かしきれません。
まとめると
softbankのAndroid機種にdocomo系格安SIMを乗せて使う=機種の持つ通信性能をフルに発揮できない!
ということです。
まったく使えないわけじゃないけど、やめておいたほうが無難ということです。
au系のSIMはどうなの?
docomo/softbankとauで通信方式が異なるので基本的に通信できません。
- docomo/softbank→W-CDMA
- au→CDMA2000
とはいえこれは3Gのお話。現在主流の4G通信であれば各社とも共通の設備で通信することができます。
UQmobileでは独自の検証結果を公開しており、iPhone以外にも一部のAndroidスマホでUQmobileのSIM(つまりauの通信網)で通信ができることを確認しています。これは他のキャリアと同じシリーズであってもSoftbankのモデルは後述のiPhoneと同様【グローバル仕様】であることが多く、バンド対応が広いためではないかと思われます。
Softbankとauのバンドで合致するものはバンド1、11、28、42の4種類。このほかにもWiMAXで使われているバンド41もauとSoftbankの両方で使える周波数帯です。これらのうち最低でもバンド1に対応していれば通信は可能です。(ただしバンド1は直進性の高い電波なので屋内や入り組んだ場所では電波をつかめない可能性もあります)
あと、UQmobileの現在の主流である「マルチSIM」にはVoLTEという高音質通話を実現する技術が使われています。このVoLTEに対応できる機種でないと通話ができないのでこれはUQmobileを使う上でほぼ必須にといえます。この点も最近のSoftbankスマホであればグローバル仕様によりクリアできるようになっているので利用可能という表記になっているんですね。
(Softbankのすべての機種で使えるわけではありませんので、必ずUQmobileにて対応確認を行ってくださいね!)
つまり、UQmobileにて確認が取れているSoftbankのAndroidスマホはSIMロック解除をすればUQmobileの回線(auの通信網)でもいちおう利用可能ということです。
ただし、SIMロック解除が可能なのは契約者本人のみですので、中古のSoftbankスマホを入手しても解除の申請ができません。現在SoftbankのAndroidスマホを利用している方で、ご自身の所持するスマホがUQmobileの動作確認端末一覧に掲載されている場合は、UQmobileに乗り換えることで毎月の通信費を抑えることができますのでオススメです。
iPhoneは例外
iPhoneは非常に多くのバンドに対応しているスマートフォンです。
SIMロック解除済の端末であればdocomo系/au系どちらの格安SIMも問題なく使えますし、docomo版の端末であればdocomo系の格安SIMを選択すればSIMロック解除自体も不要です!
SIMロック解除の対象はiPhone6s以降のiPhoneです。
それ以前のiPhoneを格安SIMで運用したい場合はSIMフリーのiPhoneを入手すればOKです。
(SIMフリーのiPhoneは海外版の端末を取り扱っているお店で入手できます)
バンドとかゴチャゴチャ考えるのめんどくせー!という方はiPhoneを選べばまず間違いありません。
実はSoftbankの通信網を利用した格安SIM、めっちゃ増えてた件
ここまでの内容をみると
「えー、SoftbankのAndroid機種ってSIMロック解除してもMVNOで使えないっぽいからメンドイな~」
て感じちゃうと思います。
しかし!時代は追いついてきた!
Softbank回線の格安SIM業者も少しずつではありますが増えてきてます。
タイトルには「落とし穴」って書いてありますけど、Softbankの機種は本当に使えなかったんですよ!ほんの数年前まではね!!
今ではいろいろなMVNOが進出してきてやっとスタートラインに立ったかなと思います。
これによりSIMロック解除のできないSoftbank版iPhoneを持っている方や、中古ショップで溢れかえっているSoftbank版iPhone(特にiPhone5sやiPhone6)をなんとか安く使いたい!という場合、MVNOは特におすすめの手段になりました。
動作確認がとれている機種は依然としてiPhoneが中心となっていますが、2017年8月以降に発売された機種はiPhone・Android問わずSIMロック解除しなくても使えるようになっていますし、もちろんそれ以外の機種もSIMロック解除さえすればソフトバンク回線のMVNOで運用可能です。
今後参入業者がもっと増えてくれば料金やサービスの面も少しずつ改善されていき、docomoやauと同じような使い勝手になる日がどんどん近づくはずですよ~。
以下Softbank回線を扱うブランドを紹介します。参考にしてみてくださいね。
mineo(Sプラン)
葵わかなさんのCMでおなじみのmineo。主要3社のMVNO回線を全て扱っているのがmineoの強みです。とりあえず使いたい機種があればmineoの動作検証ページで探してみましょう。きっとあるはずです。
LINEモバイル(Softbank回線版)
本田翼さんのCMでおなじみですね。
もともとLINEモバイルはdocomo回線のみだったのですが、今ではSoftbank回線も選べるようになっており、中古でSIMロック解除済みの安価なSoftbank端末なども使いやすくなりました。
Ymobile
あとはYmobileもSoftbank回線なのでいちおう紹介します。CMバンバン打ってますけど有名人を起用しているだけであんまり面白くないですよね。そしてなによりYmobileの料金体系が好きじゃないです。だってまんまキャリアと同じなんですから。SIMのみを申し込んでも初年度のワンキュッパ割があるのってなんなんですかね。2年目から割引がなくなって実質値上げじゃないですか。データ容量2GBで3,000円超えちゃってますからねぇ。
U-mobile
Softbank回線を利用しているので、SIMロック解除のできないiPhone6以前のスマホでもデータ通信が利用できます。
2017/06/07現在、データ通信プランのみの提供ですので、通話はできません。
LINE、Twitter、オンラインゲーム専用機として復活させてみてはいかがでしょうか?
b-mobile
U-mobileと全く同じ内容。
docomoやau回線の格安SIMと比較すると料金は割高です。
Hitスマホ!
実は岐阜県のケーブルTV会社もSoftbank回線の格安スマホを提供しています。
通話プランもあります。
しかし端末セットのみのうえ、最低利用期間もあるのでこの地方のケーブルTV契約者以外はうまみがありません。
これを選ぶならまず岐阜に引っ越しましょう。
結論は……?
Softbankの古いiPhone(iPhone6以前)の場合
Softbank版のiPhone5、iPhone5s、iPhone5c、iPhone6/6plusの場合はSIMロック解除をする手段がありませんので、現状では「Softbank回線を使ったMVNOを使う」という方法に限られます。具体的にはmineoのSプランやLINEモバイルのSoftbank回線版が該当します。それ以外の比較的小規模なMVNOになると大手のMVNOや格安SIMと比べて料金設定が高いのでオトク度は下がってしまいます。
家に眠っているiPhoneや中古ショップで売られているSoftbank版のiPhoneを再利用したい方はmineoやLINEモバイルのSoftbank回線に対応したMVNOを選ぶのが無難でしょう。
iPhone6s以降のiPhoneの場合
iPhone6s以降のiPhoneはSIMロック解除の対象機種となりますので、今使っている方なら各MySoftbankのメニューからSIMロック解除の手続きを行うことができます。
SIMロック解除の手続きが完了すると晴れてお手持ちのiPhoneは「SIMフリースマホ」となりますので、多くのMVNOや格安SIMを含む通信会社から好みのプランと契約をして利用することができます。
Androidスマホ(iPhone以外のスマホ)の場合
まずはmineoやLINEモバイルの「動作確認済み端末」で使いたい機種があるかどうかをチェックしましょう。
チェック!LINEモバイル
チェック!mineo
そして今まさにSoftbankの機種をお使いの場合は、一定期間経過していればMy SoftbankのメニューからSIMロック解除を申請することが可能ですのでぜひやっておきましょう。
端末代金を払い終えてSIMロック解除が完了すれば、晴れて自由の身です。
そのままMVNOにMNPで番号そのままで乗り換えれば、電話番号も中のデータもそのままで料金節約できます。
契約プランにもよりますが年間で1万円以上節約できます。確実にできます。
普通にあんまりスマホ使ってない方や、スマホの利用頻度が低い方にオススメの乗り換え方法といえますね!
参考リンク(外部リンク)
SIMロック解除対応機種および対応周波数帯(PDF形式:372KB)
SIMロック解除が可能な機種の周波数帯一覧 – ソフトバンク
au・ソフトバンクスマホを「SIMロック解除」してドコモ系MVNOで使うには?~IIJが解説