パケットをためてみんなで使うという発想
MVNOに契約すると毎月契約した分の高速通信容量が配布されます。
実際に使う使わないにかかわらず一定量の配布なので、ある月は全然使わなかったけどある月は外出が多くて容量をたくさん使った、ということがしばしば発生します。
普通なら余った分は消滅してしまうし、使いすぎて容量が無くなった時は追加で頼むか我慢するしかない……。
そんな時に便利なのがmineoの「フリータンク」システム。
これはどんなサービスかというと「あまったパケットは貯金箱の中に貯めることが出来るよ!そして容量が減ってしまってピンチの時はそこから引き出すことが出来るよ!」というものです。
いわゆる互助会と呼ばれるもので、駅にある「貸し傘」にも似ています。
困った時はお互いに助け合おうという粋なサービスなのです。
一方で残念ながら、これも顔の見えないネットならではの弊害でしょうか。
一部の心無いユーザーが常識はずれな使い方をしたおかげで、2017年2月にルール変更が実施されてしまいました。でもサービス自体は継続中です。
今後も気持ちよくサービスを継続していくためにルールとポイントをしっかりと確認してmineoだけの魅力的なサービスをしっかり使いこなしましょう!
フリータンクを使う!
フリータンクを利用するにはまずmineoのメンバーサービスである「マイネ王へのメンバー登録」と、mineoの運営会社であるケイ・オプティコムの発行する「eo ID」との連携が必要です。
mineoに契約している方ならサービスを受けるうえで必要なものですので、まだ登録していない場合はサクっと登録しましょう。住所や居住地域などの入力項目は任意となっていて、必須項目は少ないので時間はほぼかかりません。
終わったらフリータンクを利用できるようになります。
基本的にフリータンクに容量を提供する時は利用制限はありません。
月末になって残容量を確認してみて、この先使う予定のない分はさっさと入れておくと他の人が助かります。
問題なのはフリータンクに貯まっている容量を引き出す時です。
当初はある程度自由に引き出せていたのですが、悪質なユーザーが容量を転売したり、しこたま引き出してしまい本当に必要な人にいきわたらなかったりしたためルールが設けられました。
引き出す時のルール
①タンクに提供している分よりも、引き出している量が多いユーザーはルールを守る必要がある。
つまりあんまり提供してないのにパケットを使いまくっているユーザーには厳しくしますよ、ということです。
②容量が1GB以上残っている時は引き出せない
「1GBあれば普通は困らないよね?」ということです。
タンクに提供している分が多い善良なユーザーはこのルール関係なく引き出せます。
③毎月引き出しまくっているユーザーには注意喚起メールが届く
「いい加減プラン見直せよタコ」という内容のメールが来ます。
調子に乗ってフリータンクを使いまくらないようにしましょう。
やりくりに困って本当にどうしようもない!という必要な時だけ使うのがこのシステムの本意です。
なぜmineoはフリータンクを提供しているのか
mineoには当月使いきれなかった分の容量を次月に繰り越す機能があります。
つまり自分が使いきれなかった分は自分のためにとっておくことも可能なわけです。
それでもなおフリータンクというシステムが存在する理由は何なのでしょうか?
それは【安心感の演出】です。
普通のMVNOなら高速通信分の容量を使い切ってしまうと追加で容量を購入するか、200kbpsの低速を甘んじて受け入れるしかないのですが、mineoはフリータンクの存在によって「容量を使い切ってしまったピンチの状況でも、余計な出費をせずともなんとなかります!」というアピールができるのです。
人間、保証や安心というサービスには弱いもので、最後の切り札が残っている状態だと余裕も生まれます。
これからはMVNOの競争がますます激しくなっていくことが予想される中、ユーザーを集めて生き残っていくためにはこうしたサービスが決め手になることもあります。
現状のフリータンクに寄せられたコメントを見ている限りだと、うまくシステムが回っているようで安心しました。
ネット社会だとどうしても不正や犯罪といった悪い面ばかりに意識が向きがちですが、まだまだ助け合いの精神は捨てたもんじゃないと感じさせます。