格安SIM(MVNO)とキャリアメールの関係
格安SIMに乗せ換えを検討する際にしばしば議論される問題が
「キャリアメールが使用できなくなる」
という内容です。
キャリアメールとは
- 「~@docomo.ne.jp」
- 「~@ezweb.ne.jp」
- 「~@softbank.ne.jp」
に代表されるような大手キャリアと契約していると無料で使えるメールアドレスのことです。
このメールアドレスは大手キャリアとの契約を解除し、格安SIMに変更した時点で利用できなくなります。
(格安SIMの月額料金が安い理由の一因でもあります)
つまりキャリアメールでやりとりをしている相手や、登録中のサービスがある場合、格安SIMに変更後は別のメールアドレスを用意してメールアドレス変更したことを相手に知らせたり、登録情報の変更を行う手間が発生するわけです。
これを手間と思うかどうかは個々のキャリアメールの使い方で変わってくるところです。
たとえば
- 仕事で使っているからなくなると困る
- 絶対にメールアドレスを変更できない理由がある
- キャリアメールが使えなくなることで経済的または時間的損失等が発生する
というような方はそもそも格安SIMへの乗せ換えを検討している場合ではありません。
筆者としてもそんなリスクを負ってまで乗せ換えに賛同して欲しいとは思いません。
キャリアメールが使えるという点はキャリアと契約し続けるメリットでもあるのはまぎれもない事実だからです。
一方で、格安SIMの乗せ換えに積極的になって欲しい方とはズバリ、
「キャリアメールを全く活用していない人」
であると言い切れます。
すでに使わなくなったキャリアメールのアドレスを、割高な月額料金で保持する理由はありません。
なぜならキャリアメールに変わる代替サービスがすでに普及しているからです。
キャリアメールの代替サービスについて
1.LINE(ソーシャルメディア全般)
電車に乗って他人のスマホが視界に入ると必ずと言っていいほど映っているLINEの画面。
現在ではスマホ利用者のほとんどが連絡手段として用いられるようになったネットワークサービスです。
スマホを持っていてLINEを利用していない人はスマホを使いこなしていない、と言っても大げさではないでしょう。
(もちろん個々の信条や利用できない理由が存在することは重々承知の上での発言です)
リアルタイムにメッセージのやりとりができて、多人数での文字チャットやビデオ通話も可能で非常に使い勝手の優れたツールです。
SNSサービスのひとつなので全ての連絡をLINEで行うことは現実的に不可能なものの、家族や友人など「特定のよく連絡を取り合う仲」ならLINEを活用することで、いちいちメールや電話をする必要もなくなります。
この他にもTwitterやFacebook、インスタグラムなど他人と連絡を取りあうソーシャルメディアは非常に数多くあります。
2.ショートメール(SMS)
ショートメールは電話番号を使って全角70字(半角160字)までの短い文章を送信できるサービスです。
「ご飯食べる?」「いまどこ?」という程度の日常で発生するコミュニケーションなら十分な連絡手段となります。
長文での送受信は分割になったりしてコスト面でも使い勝手が良くないので向いていません。
一般的な携帯電話(ガラケー)からも送受信でき、キャリアの垣根を越えて利用できるのでLINE以外の普段使いの連絡手段ならコレがおすすめ。
3.別のメールアドレスを利用する
LINEもSMSも使えない(使いたくない)という場合は、別のメールアドレスを使うという選択になります。
一般的には「Gmail」や「Yahooメール」といった大手の無料メールサービスが人気です。
参考 yahooメールを使って新しくメールアドレスを取得する方法
Androidユーザーの場合はスマホの買った際にgoogleアカウントを作っていますので今まで使用していなくてもgmailはすぐに使えます。使ったことのない方やiPhoneユーザーでもこちらのサイトに詳しい解説がありますのですぐに解決するでしょう。
参考 Gmailアカウントの作り方、新規作成・複数管理・削除・復活まで(iPhone/Android)
メリットとしてはキャリアメールの代わりになるというほかに、サービスの会員登録や通販の発送通知といった「メールアドレスがないと受けられないサービス」をスマホで一括管理できる点です。
一方デメリットとしてはフリーメールには「プロモーション」や「企業からの広告メール」が送られて来る場合があるという点です。
無料でメールアドレスを使わせてもらっているので、そこは許容しなければならない部分になります。
しかしauユーザーであれば痛いほどわかると思いますが「auホットインフォ」等の毎日のように届くスパムまがいの迷惑メールと比べればとても少ない頻度ですからデメリットというほどでは無いでしょう。
※インターネットプロバイダと契約している場合は、そのプロバイダから与えられたメールアドレスをスマホに設定することもできます。
もし使っておらず塩漬けになっているアドレスがある場合は、格安SIM乗せ換え時にあらためて活用することでメールアドレスを新規で取得する手間なく使えます。
「自分はいいけど他人がダメ」なケースはどうすればいい?
これは具体的にいうと
【自分はキャリアメールがなくなっても構わないけど、相手がメールアドレスを変更する手順もおぼつかない機械オンチだから代えられない】
という問題です。
参考格安SIMにしたいけどできない人たちが抱える悩み(外部サイト)
これは「田舎で暮らす親と都会で暮らす子」という構図でしばしば取り上げられる問題ですが、率直に言います。
電話かSMSでいいじゃん。
筆者もよく親とメールをする機会がありますが、ほとんど1行で済むような内容です。
それに長くなりそうな内容の場合は電話しちゃいます。
あえてメールアドレスを使って送るような長文かつ大層な用事なんて皆無なんですが、これは我が家だけなんですかね?
そういう意味でも上記の記事でSMSや電話という代替手段に全く触れられていないのが非常に気になります。
まとめ
キャリアメールが利用できなくなっても、上述の通り様々な連絡手段が普及している現在ではスマホの利用にほとんど支障ありません。
普段の連絡手段がほぼLINEになっている方は、その全く使っていないキャリアメール代に高い利用料金を支払っている事実をまずは知ってください。
そしてMVNOという新しいスマホのかたちをぜひ前向きに検討してください。