2018年9月4日より受付開始となったmineoのSプラン(Softbank回線プラン)。
基本的にキャリアのスマホでMVNOを利用するには「SIMロック」を解除する必要があります。各MVNOの対応機種一覧にもSIMロック解除を求める文言が記載されています。
例外として良く知られているのはdocomoの端末でdocomo系のMVNOを利用する場合。
この場合は「SIMロックを解除しなくても」APNの設定をするだけでそのまま利用することができます。
さて、そこで気になるのがau回線やSoftbank回線を使っているMVNOはどうなのか、という点です。
「docomo回線×docomoスマホ」の組み合わせでOKだということは、au回線ならauスマホで、Softbank回線ならSoftbankスマホでSIMロック解除しなくてもそのまま使うことができそうですよね?
はたしてそうなのか?
ではさっそく調べていくことにしましょう。
これまではSIMロックのことを気にしてたけど、今後は気にしなくてもいいってことなの?
全てじゃないけど、だんだんMVNOへの乗り換えに有利な風になってきてるのは確かだね。
詳しくは以下の項目で解説してるぞ。
結論としては「条件があえば使える」
最初に結論を言うと「SIMロック解除しなくても使える組み合わせも存在する」が正解になります。
なぜ条件付きなのかというと、それはスマホの機種やMVNOの種類に依存する問題だからです。
以下が詳細です。
iPhone8など2017年8月以降発売のスマホの仕様について
まず覚えておきたいのがiPhone8、iPhone8plus、iPhoneXの取り扱いです。
この3機種は2017年9月にリリースされた端末なのですが、総務省のガイドラインによって「2017年8月以降に発売されたauブランドの端末においてはMVNO向けのSIMロックを廃止する」というルールに基づいた仕様になっています。
つまりau版のiPhone8、iPhone8plus、iPhoneXはSIMロック解除をしなくてもmineoやUQモバイルのようなau回線を使った格安SIMならそのまま利用することができるようになっています。
上記のように実際にUQモバイルでiPhoneXの対応確認表を見てみると、SIMロック解除の項目が「不要」になっていることがお分かりいただけると思います。
このルールは今後も適用されていきますので、2017年8月以降に発売されるauスマホはSIMロック解除不要でau系の回線を利用したMVNOや格安SIMを利用できます。
ちなみに2017年8月以降にリリースされたauスマホ(2018年9月現在)には
- Galaxy Note8(SCV37)2017年10月26日
- AQUOS sense(SHV40)2017年11月2日
- Xperia™ XZ1(SOV36)2017年11月10日
- isai V30+(LGV35)2017年12月22日
- AQUOS R compact(SHV41)2017年12月22日
- BASIO3 2018年1月19日
- HUAWEI nova 2(HWV31)2018年1月26日
- Qua phone QZ 2018年2月23日
- Galaxy S9(SCV38)2018年5月18日
- Galaxy S9+(SCV39)2018年5月18日
- Xperia XZ2(SOV37)2018年5月31日
- AQUOS R2(SHV42)2018年6月8日
- HUAWEI P20 lite(HWV32)2018年6月15日
- Xperia XZ2 Premium(SOV38)2018年8月10日
などがあります。
これらのAndroid機種もSIMロック解除不要でmineoやUQモバイルが利用できます。実際に各社の対応表にもSIMロック解除不要の旨が記載されています。
これなら中古スマホでも安心してMVNOを利用できますね。
元のキャリアと同一の回線を使ったMVNOや格安SIMに乗り換えるなら、だいぶ簡単になったってことがポイントだね!
通信バンドの観点からしてもauスマホはau系のMVNOに乗り換えるべきだからね。それが簡単になったということなら素直にいいことだと思うよ。
au版のiPhoneは全般的にmineoとの相性が◎
では2017年7月以前にリリースされたものはどうでしょうか?
まずはiPhoneに関してですが、au版に関してはiPhone5c/iPhone5sから比較的新しいiPhone7までSIMロック解除をしなくても使う方法があります。
特にmineoのAプランに関してはiPhone5c/iPhone5sからiPhone7シリーズまでのすべてのiPhoneをSIMロック解除不要で利用可能です。
ポイントはau VoLTEのSIMではなく普通のnanoSIMを選択することです。
現在主流になりつつあるVoLTEではなく普通のnanoSIMを選択することで通話には3G回線が使われるようになります。
VoLTEのほうが通話品質が高く、通話と通信を同時に行えるなどのメリットもありますが、スマホを普通に使う上ではあまり気にする必要のない問題でもあります。
なによりこの仕様のおかげでSIMロック解除作業が不要になることのメリットのほうが、MVNOを使う上では大きいです。
iPhone8以降のiPhoneは通話も通信もLTEしか使えない仕様なのでnanoSIMは使うことができませんが、先述の通り総務省の意向でMVNOへの乗り換え条件がかなり緩和されているのでMVNOや格安SIMならVoLTEを選んでもやはりSIMロック解除不要で利用できます。
つまりmineoならiPhone5sでもiPhone8でも、au版iPhoneをSIMロック解除しなくとも運用できるというわけです。
au版iPhoneを狙うなら、現役のユーザーなら今使っている本体、そうでない場合は中古品になると思いますが、どちらにしても「au版iPhoneならSIMロック解除不要」ということを頭に入れておきましょう。
iPhoneを使っている人ってとても多いはずだから、そのまま乗り換えられるのはうれしいね!
中古でもかなりの数が出回っているし、ゲーム用のサブスマホとして1台契約するのもアリかも……?
一部機種はUQモバイルも使える
UQモバイルはiPhone5s、iPhone6、iPhone6Plusの3機種に関して専用のnanoSIMを用意しています。
この専用nanoSIMを利用することでSIMロック解除をすることなくiPhone5s、iPhone6、iPhone6Plusを使うことができます。
今となってはやや古いといわざるを得ないiPhone5s、iPhone6、iPhone6Plusの3機種ですが、モノによっては1万円そこそこ入手できたり、または機種変更して家に眠っていたりするので、新たにサブ端末として使ったりGPSナビ代わりにしたりできます。UQモバイルならキャリア並みの通信速度を実現できますので通信品質さえよければ端末はなんでもいいという方にも使いやすいiPhoneはおすすめです。
お子さんの初めてのスマホとして安上がりなものを探している方にとっても良い選択かもしれません。
Softbankスマホはmineoが参入したことで変化が
SoftbankのスマホはこれまでMVNO界では不利な立場に置かれていました。
これまでSoftbankの回線を使ったMVNOはごく一部(b-mobileなど)しかなく、機種もiPhone限定で料金もdocomo系やau系のSIMと比較すると割高。このことから積極的に選ぶメリットが薄かったのです。
もちろんSIMロック解除さえすればどのMVNOでも自由に使えるのですが、後から解除のできない中古スマホやiPhone6以前の端末を使う際はMVNOでの運用はあきらめざるを得ない状況でした。
そんな状況のSoftbankスマホでしたが、2018年9月からmineoがSoftbank回線SIMを提供開始したことで状況に少しずつ変化が訪れています。
まずmineoというMVNO業界で広く認知されているブランドからSoftbank回線が選べるようになったのはとても大きなことです。
プランを見るとどうしてもDプランやAプランよりも割高なのですが、Softbankスマホは中古市場でも割安で入手可能なものが多いので、使用期間によっては十分コスト面でもメリットはあると思います。
また、iPhoneが全面的にSIMロック解除不要で利用できるようになったのも大きいです。
iPhone8に関してはauと同様に2017年8月以降に発売された機種ということで、同じ回線を利用したMVNOにはSIMロック解除不要で乗り換えできるようになっています。
また、iPhone7以前の機種もmineoが提供している「iPhone7以前用nanoSIM」を利用することでSIMロック解除不要で使えるようになっています。
iPhone4S以前の機種は4G通信ができませんので、残念ながらmineoのSプランでは利用することができません。(SIMフリーのiPhone4Sであれば、Dプラン【docomo回線】で3G通信が可能です)
さらにiPhoneだけではなく、一部のAndroidスマホもSIMロック解除不要でmineoを利用できます。
SIMロック解除不要で乗り換えできる機種一例
- DIGNO J【704KC】
- シンプルスマホ4【704SH】
- AQUOS R2【706SH】
- Android One S3【S3-SH】
- AQUOS R compact【701SH】
- Xperia XZ2【702SO】
- Xperia XZ1【701SO】
今後発売される機種も同じくSoftbank系のMVNOへそのまま乗り換えできる見込みですので、ユーザーの選択肢は広がっていくことが期待されます。
Softbankスマホもようやくここまで待遇が改善されたんだね~!
あとは利用料金が他のMVNO並みに下がれば言うことナシ!だな。
【まとめ】徐々にではあるがMVNOへのハードルは確実に下がっている
これまでMVNOを利用することに対する大きな障壁はまちがいなく「SIMロック解除の手間」にありました。
何が悲しくてSIMフリーにするためだけに自分の時間を(場合によってはお金も)使ってロックを解除しなければならないのか……。MVNOを推している筆者からしてもSIMロック解除の作業は本当に手間で無駄だと思います。
そんなSIMロック解除に関する手間をある程度省いてくれる、特にiPhoneに関してはdocomoはそのままdocomo系SIMで、auはmineoやUQモバイルで、そしてSoftbankもmineoでSIMロックの問題を気にせずに使えるようになったのは大きな一歩になりました。
三大キャリアのiPhoneは、もうSIMロックの問題を気にする心配はいらないのです。
これからは自由に端末を選んでMVNOライフを楽しみましょう。