安くSIMカードを2枚持てる時代になった
突然ですが皆さん、スマホは何台お持ちですか?
多くの方は1台だと思います。なぜなら2台以上持っていても必要ないからです。
では質問を変えて、スマホのほかにタブレットやモバイルPCを持っているという方はどうでしょう?
これはビジネスマンやガジェットオタクを中心に結構な数が該当すると思います。
都心の駅やカフェスペースを見るとノートパソコンを広げて忙しそうにしているサラリーマンや、タブレットで遊んでいる若者をよく見かけます。
つまりその人たちは電話機としてのスマホに加えて仕事やプライベート用の端末を有しているということになります。
では彼らはそういった端末をネットに接続する際にどうしているのでしょう?
考えられる方法としていくつか挙げられます。
1つ目はスマホのデザリング機能です。
テザリングを使えばスマホをモバイルルーターのようにして、一時的に別の端末をWi-Fi接続させることができます。
ごく短時間の利用ならば便利ですが、スマホの電池消耗が早くなるなどデメリットもあります。
そうなると長時間の利用には別の手段でインターネット接続をするのが望ましいです。
2つ目は公衆Wi-Fiサービスを利用する方法です。
よくお店の壁に「Wi-Fi使えます」というステッカーを見かけると思いますが、それが公衆Wi-Fiサービスが使える場所という目印になります。
スマホのテザリングと違って特別な機器や設定を必要としないので手軽ですが、公衆Wi-Fiの届く範囲内でしか使えないですし、不特定多数のユーザーが利用しているので速度の保証や通信の安全性はいまひとつとなっています。あと、月額で利用料金がかかる点も注意しなければなりません。
そこでオススメしたいのが3つ目の選択肢「自分でモバイルルーターを持つ」です。
モバイルルーター自体はノートPCでデータ通信を行っていた十数年前から存在しますので、特別目新しいことではありません。
ではなぜ今「モバイルルーターを持つ」なのか。
それはMVNOの登場とお得なプランの整備により、SIMカードを低価格で複数枚持てるようなプランが充実してきたからです。
もともとモバイルルーターといえば、一部のサラリーマンや新しいもの好きなオタクたちが外でもネットを楽しもうと契約するものでした。
どこでもネットにつながるとはいえ月額4,000~5,000円と結構な維持費がかかるので、一般の方まで浸透しきれなかった面は否めません。(最近ではターゲットを大学生~新社会人に設定し、家庭用のネット回線の代わりに工事なしで利用できるという触れ込みで販売しようという動きも目立ちます)
しかし今では事情は変わり、MVNOが席巻する通信業界。
そしてスマートフォンやタブレット端末がこれだけ普及し、一般に受け入れられている実情。
個人で複数台の端末を持ち、低価格で通信を楽しめる時代になった今こそ、ようやくモバイルルーターの真価が発揮されるのだと私は確信しています。
モバイルルーターを使うことでスマホはテザリング設定から解放され、通信にかかる負荷や電池の消耗を気にする必要がなくなります。
また、モバイルルーターはデータ通信に特化した設計になっているので、長時間通信をするのに十分な安定性と電池容量を備えています。
同じパケットを2枚のSIMでシェアできる
ではどうしたらお得にスマホとモバイルルーターを持つことができるのでしょうか?
それは「1つの回線契約を2枚のSIMカードで共有する」という契約にすれば可能になります。
これまでは2つのSIMカードを持つには2回線の契約が当たり前でした。つまり、
「音声通話プラン3GBで1回線」+「通信専用プラン3GBで1回線」
という感じです。
一方の「1つの回線を2枚のSIMカードでシェアする」という場合は
「音声通話SIM+データ専用SIM=3GB」を1回線で申し込めるわけです。3GBというデータ容量を2枚のSIMで共有するわけですね。
例えばIIJmioの場合、音声通話SIMとデータ専用SIMを別々で申し込むと
音声通話SIM3GB【1,600円】+データ通信SIM3GB【900円】
となり毎月2,500円となりますが、データをシェアするように申し込むと
音声通話SIM3GB【1,600円】+追加SIM(データ専用)【400円】
となり毎月2,000円で2枚のSIMカードを持てるようになります。
一見すると別々に契約したほうが3GB+3GBで6GB分使えてお得な気がします。
筆者もかつてこの形態で契約をしていた時期がありました。
しかし2台合計で3GBあれば十分という場合は過剰になってしまいますし、契約が異なるためデータ量の受け渡しなどもできないので使い勝手が悪いのです。それにスマホ単体で3GBあれば事足りる人は、データ専用SIMだけで3GBあっても絶対に使いきれません(実体験)
したがってSIMを2枚持つなら「同一パケット契約内でSIM2枚持ちが最もコストパフォーマンスが高い」という結論です。
SIM2枚持ちでモバイル回線の冗長化も可能
もう一つSIM2枚持ちのメリットを挙げるとすれば「モバイル回線の冗長化」です。
例えばスマホが何らかの理由で使用できなくなった(通信できなくなった)ときに、モバイルルーターと別の端末を使って通信環境を確保しようというものです。
※本当の意味での冗長化を図るのであれば「スマホがIIJmioのdocomoプラン」だった場合「モバイルルーター側はau回線にする」というのが最も有効です。
なぜならdocomoでは圏外になってしまう場所でもauならつながるかもしれませんし、反対にau通信網に何らかの技術障害が発生してもdocomo回線が使える環境を持っていればいざという時の情報収集にも役立つからです。
とはいえ、同一契約内で2枚のSIMを持つというだけでもスマホの故障時やトラブル時に備えることができるので悪くない選択かと思います。
IIJmioの場合ファミリーシェアプランを選択するとdocomo回線のSIMとau回線のSIMを混ぜつつデータ通信容量をシェアすることもできます。
SIMカード2枚だとあまりうまみがありませんが、家族や業務用途などで5~6枚の申し込みをするなら、まさにモバイル回線冗長化にうってつけのプランといえます。
モバイルルーターを選ぶ
今はモバイルルーターも非常に安く買える時代になりました。
(余談ですがまだIIJmioが200kbpsのみでサービスを行っていたころ、私が購入したLGのL-09Cというモバイルルーターは1万円くらいしました。)
それが今では中古とはいえNECの高性能SIMフリールーターが1万円しないで手に入るなんてうらやましい限りです。
◆一例
このNECのAtermのMRシリーズは非常に有名で、とりあえずいいモバイルルーターない?と聞かれたらこれをお勧めします。
いやぁ、これを使うだけで日々のモバイル通信ライフが快適になるんだったら安い買い物ですね~